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旦過市場の鯨男【鯨かじはら商店】 - A whale man at the Tanga market

旦過市場の入口を歩いて数歩。真っ赤なテントが目を引くのは、「鯨かじはら商店」。
鯨一筋50年、今日もお店に立つお父さんが一代目で築いたという鯨肉の専門店です。

After going into s few steps, then there is a bright red tent. That’s the “whale Kajihara shop. Worked on whale for 50 years. Specialty store for whale.
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部位ごとにずらりと並ぶ商品のなか、初心者にもおススメというのが、「鯨ベーコン」。
スライスしてパックになったベーコンやベーコンやお刺身にはお醤油も着くため、Tanga Tableに持ち帰って一杯するにもぴったりです。日本酒との相性も抜群だとか。

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どこからともなく取り出した指し棒を片手に鯨肉をさしながら、捕鯨や鯨食の歴史について小倉弁で次々と説明してくれるお父さん。

「昔は捕鯨オリンピックがあったんよ!」
全盛期は7千頭から8千頭の収穫量があったという鯨も、現在は商業捕鯨規制が厳しくなり、捕れる量が限られて値段も高騰。目にする機会も少なくなってきました。しかし、お父さんはこの場所で、小倉の飲食店などに鯨を提供を続けてきました。「食べれば、どの種で、南陽で捕れたか北陽で捕れたかもわかるな」という、まさに鯨一筋の「鯨男」。
「昔から鯨料理は、ようけあるの!」
と言いながら、お店の奥から1冊の本を取り出して広げられた本には、さまざまな部位を余すところなく調理したレシピの数々が載っていました。室町時代から江戸時代にかけての鯨料理に関する書物も残っていたと言われおり、鯨と日本人の食文化には、時代を超えた繋がりがあるようです。

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鯨の背の部分である炒り皮はおでんの具に、さらにお吸い物としてごく一般的に昔から食されていたのだとか。旦過には、「美味しい」はもちろん、途絶えさせることなく後世に伝えたいヒトと食の歴史がありました。

ひとつの食材にこだわり続け、誰よりも鯨の文化を知り、味わい、伝え続けた「鯨男」に出会えるお店に足を運んでみてください。店先でお父さんの鯨話を聞きながら鯨をつまむ。そんな時間が待っています。

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2016.03.13 up

#歩く #Walk